| ア. | 世にありがちなえり好みのつまみ食い的地名考や机上だけで考える地名考ではなく、岩手県下全市町村をくまなく踏査されたうえでの所産であること。 | |
| イ. | その量において、採録地名812、重複地名112、合わせて924にも及び、県下各市町村平均16という驚くべき数字であること。 | |
| ウ. | その質においても、多くの新説が提示されており、その中にはこれまで世の通説とされていた古い解釈を覆すに値するようなものがいくつか窺えること。 | |
| エ. | 現に私たちの足下にあるアイヌ語系古地名は単なるアイヌ語の言葉の素の組み合わせではなく、その地名の中にはそれを名づけた郷土の先人であるエミシの人たちの気高い思想、信仰に基づく徳性が内在するということを示唆するものとなっていること。 | |
| オ. | 文章がソフトタッチで、他説を頭から切り捨てるようなきついところがないうえに、処々に地名にかかわる興味ある伝説なども織り込まれてあり、読む人をして飽きさせない地名物語風になっているということ。 |
誠にそのとおりであって、B5版560ページに及ぶ分厚い本でありながら、随所にはさまれた写真とあいまって、とても読みやすく親しみやすいものとなっています。